『王子と鴉』には何がどこまで記述されているのか。
お話は本当になるわ。本当とお話が混じり合うこの町では。
プリンセスチュチュ
- かなわぬ恋、もしくは恋心?告白すると消えてしまう。でも、何度でも新しく恋することはできる(無数の「プリンセスチュチュ」が存在する可能性)。
- 『王子と鴉』のなかでは、ほんの数行記述されているだけ。
- 『王子と鴉』のなかでは、愛を告げて光の粒になって消えてしまう。
- プリンセスチュチュのペンダントが、王子の心のかけらからできているのだとしたら、プリンセスチュチュが現れるのは、王子が心臓を砕いてから。王子が心臓を砕くのは、絶筆版『王子と鴉』《市販本》以後の展開なので、《市販本》に存在する「愛を告げて光の粒になって消えてしまうプリンセスチュチュ」と、「心を返すことができるプリンセスチュチュ」は同一ではない。
- 砕かれた「希望」の心のかけらが、ほかの心のかけらと同じように、何かの魂に取りついたときに「プリンセスチュチュ」となる?
- 『王子と鴉』のプリンセスチュチュはなり手のない空いたキャラクター。アヒルは物語の外から引き入れられ、空いている座に収まった。
- 愛を告げて光の粒となって消えてしまったプリンセスチュチュは、心のかけらを持っていなかったのか。
- 「愛を告げて光の粒となって消える」のと、「ペンダントを王子に返すことによって、プリンセスチュチュとしての実体が消える」のは、イコールなのか。愛を告げると実体ごと消えるのか。
- 物語を真に終わらせることが出来る(王子に全ての心のかけらを返すことができる)「プリンセスチュチュ」が現れるまで、何人かの「心を返すプリンセスチュチュ」がいた……と考えると、いくらでもループ物を作ることが出来る。王子は簡単に心臓を砕いちゃうからね……。
- ドロッセルマイヤーが、人の飽くなき願いを物語に記述して実現させる魔術師であるのに対して、あひるが演じたプリンセスチュチュは、人の叶わぬ思いを治めることができた。だからこそ、あひるがドロッセルマイヤーの物語を完結させることが出来た?
ふぁきあ
- 小さいころから「書いたことが現実になる」ことがあった。が、具体的にどのようなことかは明言されていない。
- 鴉をやっつける物語を書くが、逆に烏に襲われ、かばった両親を殺されてしまう。
- レイツェルの物語を書くが、実現しなかった。
所詮ただの人間のあなたにできるのは、本を調べる事くらいかもね。
- 終始、「ただの人間」であることが強調されるキャラクターだが、ところがどっこい、「物語」に対しては最強の力を持ちうる立場、「読み手」さんなんじゃないかという妄想。
- その後ドロッセルマイヤーの物語を書き次ぎ始めるわけですが、それは二次創作……。
- ふぁきあが『王子と鴉』を読んだ直後に「王子」が出現した。ふぁきあが「読んだ」から「王子」が現れた?
- ふぁきあは、『王子と鴉』を騎士の死以降読むことが出来ていない?しかし、その後の展開は知っている(心臓で鴉を封印し云々)のは、カロンに聞いたからか?
- ここでは、卵の章内の「王子」は、「読み手:ふぁきあ」から現出した「王子」と考える。だからこそ、ふぁきあは「王子」を支配下におき、「王子」もふぁきあにしたがっていた。るぅではなく。
- 卵の章で、「王子」が「プリンセスチュチュ」と結ばれるのは、「読み手:ふぁきあ」がそれを望んだからである。
- しかし、ふぁきあ自身は、「騎士死亡」以降の物語を読んでいないので、雛の章では「王子」は「読み手:ふぁきあ」の手を離れてしまった。
- 14話冒頭で騎士(?)姿のふぁきあが死のマイムで現れるのは、「騎士:ふぁきあ」の物語中での死、ということにしておく。
- 金冠学園に行くまでは、ずっと図書館にばかりいたらしい(レイツェルはふぁきあが図書館に必ずいると知っていた)。20話。
- しかし14話では「ふぁきあが図書館にこもっていて変だ」と言われる。→学園復帰後、突然本を読むことを「再開」したのは、「読み手:ふぁきあ」が本を読み終えてしまったから、ということにしておく。
- ふぁきあは王子の剣を管理することができるが、ふぁきあの剣はカロンが管理している。なぜなら、ふぁきあに「騎士」の役柄を与えたのはカロンだから。
- そもそも「ローエングリンの剣」は物語の中の剣なんだろうか?てきと(ry
- エデルとの関係。6話では「可哀想なのはみゅうと?るぅ?それとも、あひる?」エデルはふぁきあを数に入れてない。8話「ふぁきあはあひるにとって何?」エデル退場 。9話ふぁきあに「かわいそうなのは、るう?みゅうと?あひる?それとも」エデル回収。ドロッセルマイヤーに改造を施される。12話では直接ふぁきあに答えることはなく、微笑む。そして13話でエデルは命を捨ててふぁきあを助けた。
- ふぁきあはドロッセルマイヤーと自身の関係を知らなかったが、ドロッセルマイヤーは微妙に警戒していた?書き手だからというよりも、『王子と鴉』の読み手としてではないか(「人の心に興味を持ったりするんじゃないよ」)。
- ふぁきあは、あひるの物語しか書けない。ドロッセルマイヤーの物語には(あひるを介してしか)干渉できない。
みゅうと
- 王子。純粋に物語の人だし、心もないので、書き手と読み手の都合によってのみ構成されるキャラクター。
- ふぁきあが本を読んだことで、金冠町に現れた。
- ふぁきあが「命名」したことで、ふぁきあの王子になった?「心臓を失くした王子?…ミュートス!」→「カロン、ミュートスって何?」「伝説の人のことだよ」「王子はミュートスなの?」「そうだよ」「へえ!」→「ミュートスってのは伝説の人って意味なんだぜ」
- 卵の章まではふぁきあの王子だったので、ふぁきあの支配下にあり、るぅの誘惑にも応じず、剣もふぁきあに管理されていた。
- 「騎士が死んだ」(正確には、ふぁきあが本を読み進んだ箇所まで物語がたどりついた)瞬間にふぁきあの物語から解放された。この時、王子がチュチュを選んだのは、読み手:ふぁきあの望みを受けて。
- 「騎士の死」を字義通り解釈して、「とにかく脱出しよう」と言ったのは、物語の王子としては理にかなっている(断言)。
登場人物のおかしな行動に「正しい」理由付けをするのが、ここの方針です。佐藤監督が忘れていたという制作者のお話はとりあえずおいておいて。
- ふぁきあの物語から解放されてからは、元の『王子と鴉』の王子(且つ「るぅの花婿となるべき者」)となり、「皆を愛し、皆から愛される」を体現。突然周囲の女子に秋波をまき始める。
カロン
- ふぁきあの「一族」らしい。
- 男やもめの身で、両親を亡くしたふぁきあを引き取る。
- ちなみに、近所の水車小屋にはレイツェル一家が住んでいる。
- なぜカロンがふぁきあを引き取ったのか。ふぁきあは、鴉事件があったことから、親戚に引き取り手がなかったんだろうなあと言う推測。
- 事件時:ふぁきあ5歳、レイツェル17歳、カロン30歳……ぐらい?見た目もっといってそうだが。
- 物語時:ふぁきあ16歳、レイツェル28歳、カロン41歳ぐらい?
- 日本語では「骨董屋さん」だが、英語ではちゃんと「鍛冶屋さん」。
- エデルの燃え残りから、うずらという命のこもった人形を作ることが出来るなど、ドロッセルマイヤーの血を確実に引いているように見える。
- ふぁきあに「言い伝え」を伝え、騎士の生まれ変わりと吹き込み、「王子と鴉」の本を与え、行き倒れの少年を「物語の王子」と見抜き、命名のきっかけを与える。
- 『王子と鴉』《市販本》には書かれていない、絶筆以降の物語の内容を知っていた。
- 10年間、ふぁきあとみゅうとと共に暮らし、育てた(?)のに、みゅうととの接触はゼロであり、ふぁきあにも「みゅうとにかまうな」と言うことから、おそらくみゅうとを明確に人間とは区別している。純粋に「物語」として見ている。
- 突然大怪我して帰ってきたふぁきあさん(誰が連れて帰ったんだ?みゅうとか?寮に帰った可能性もあるが、ならばエデルの燃え残りだけカロンの家に持ち込むのは不自然)や、いきなり寮を追い出されて自宅謹慎になったふぁきあさんの傍で、人形の燃え残りからうずらを作りあげていくカロンさんが何を考えていたのか。
- 最終回では鴉として踊っていた。
- カロンが読ませた本がエデルだったのではないかという可能性→ http://d.hatena.ne.jp/mushani/20910731/p1
- カロンさんはふぁきあに読ませたその本を、どの段階で古本屋に持っていったんだろう?両親を亡くした子供に、騎士の生まれ変わりだぞ!とほらを吹きながら本を渡す→ミュートス出現、ふぁきあが「みゅうと」と名づける→ふぁきあがプリンセスチュチュの部分を繰り返し読み聞かせる。
- レイツェルによると、幼い頃のふぁきあはお話を沢山書いていた。事件後は、いつもみゅうとと一緒にいて、「みゅうとを守る」と口にしながら、だがしかし、かならず図書館にいたらしい。アニメの時期のふぁきあは図書館に籠もっているなんて変だ!とミーアキャットに言われている。
- 「俺の持ってくる本以外は読むな」で、ふぁきあが持ってくる本は、多分『王子とカラス』ではないだろう。みゅうとの物語が進むことを恐れていたから。幼い頃はみゅうとに繰り返し聞かせていたはずのプリンセスチュチュの物語を、ふぁきあが避けるようになったのは、いつからなのか?
- (カロンさんにしてみれば、一種の「グリーフケア」として与えた『王子とカラス』の物語、騎士の生まれ変わり=本当は強い子、という説に、ふぁきあがここまでずっぽりはまり込んでしまっては、心配もするわなってことで、古本屋に持って行くのも無理はなかろう、という保護者大変)
- カロンさんはローエングリンの剣も隠してしまう。でも、王子の剣はふぁきあが管理。カロンさんは王子の剣にさわれないのか、敢えてふれないのか、王子の物語が(ふぁきあを取り込むことなく、勝手に)進むことを望んでいたのかもしれない(十年だか一緒に住んでいたわりにはみゅうとのことを全く気にかけないカロンさん)。
エデル
- 6話
エデル:可哀想なのはみゅうと?るぅ?
それとも、あひる?
エデルはふぁきあを数に入れていない。
- 8話
エデル:ふぁきあ?彼はあひるにとって何?
あひる:え? 何ってあたしにとっては別に。でもみゅうとにとっては危険な人。あ、ああ。あれ? エデルさん?
→エデル姿を消す。
- 9話
古本屋にあらわれ、ふぁきあが読む本のページをめくるエデル。
ふぁきあ:これが、俺の運命だというのか。
エデル:かわいそうなのはるぅ?みゅうと?あひる?それとも?
→ドロッセルマイヤーによるエデルの回収。「人の心に興味を持つから厄介だ」改造を施される?
- 9話で、ふぁきあがわざわざ(図書館にもある『王子とカラス』の本を)古本屋に来て読むのがフックだったんだけど、ここエデルがページをめくるのは、エデル=「ふぁきあが読んだあの本」だからじゃね?という思いつき。だから13話で彼女もふぁきあの思い(王子とプリンセスチュチュのパ・ドゥ・ドゥ)と共に終わる=閉じられる。
- 「本(物語)」が作者のコントロールを離れ、読み手の意志により深く興味を示す……そのシチュエーションを考えると、わくわくする(私が)。それは書き手にとってはとてもとても危険なことではないだろうか。そして、作者は死んでいる。
- 後世の人によって、悲劇の結末からハッピーエンドに書き換えられた『白鳥の湖』の物語。