『王子と鴉』4話

    • ふぁきあと『王子と鴉』を読むるぅ。

ふぁきあ:何を見ている?
るぅ:別に。あなたには関係ないわ。
ふぁきあ:『王子と鴉』か。なるほどな。物語の中にいたときのみゅうとに、興味が出てきたようだな。心を失う前のみゅうとに。
るぅ:私がみゅうとに心を戻していると言いたいの?
ふぁきあ:違うと言うのか?……待てよ。何がおかしい?
るぅ:プリンセスチュチュが本当にいたとしたら、どうする?

心を戻すということと、「プリンセスチュチュ」に直接の関係があるのか、語られているようで語られていない。

ふぁきあ:何か、あったのか?
るぅ:別に。何もないわ。うふふ……。

    • ふぁきあ、あひるに『王子と鴉』について詰問する。

ふぁきあ:そういえば前に『王子と鴉』がどうのとか言ってたな。お前…、みゅうとが物語の中の王子だって事知ってるんだな?ふん。るぅが喋ったのか。
あひる:るぅちゃん…?るぅちゃんもこの人もみゅうとの秘密知ってるの…?
ふぁきあ:みゅうとには心なんか必要ない。
あひる:心がいらないなんて、何言ってるの!そんな訳ないでしょ!?
ふぁきあ:お前に何がわかる!?俺にはみゅうとの事が何でもわかる。お前に何がわかると言うんだ!?くだらん!心の欠片なんか取り戻しても俺が封じ込めてやる!暗闇に閉じ込めてしまえば、いつの間にか暗さも感じなくなる。感覚も無くなり、何も感じなくなるのさ…。
あひる:そんなの…。そんなの間違ってるよおぉおぉぉぉ!!
ふぁきあ:何も知らんくせに、いい気になるな。

『王子と鴉』3話

    • アバン

昔々、一人の男が死にました。
お話は途切れて、王子は心臓と一緒に、人々に向ける優しい気持ちも 勇敢に戦った思い出も失くしてしまいました。
そして町中に散らばった王子の心臓のかけらは行き場を求めて、隙間の空いた心に住み着きました。
かけらに取り付かれた人々の中には、自分自身の物語を狂わせてしまう者もありました。

    • ぴけとりりえが『王子と鴉』について語る。

あひる:あー…えっと…あ、そう、夢 夢の話なんだけど!すっごくかっこよくて強い王子様が居てね、でも王子様は悪い大鴉と戦ってて、心臓を砕けば大鴉を封じられるんだけど、心臓が無くなっちゃうと心も無くなっちゃって、王子様はいつも寂しい目をしてて、その王子様をあたしが…。
りりえ:王子と鴉のパクリね。

ぴけとりりえが知る『王子と鴉』には、「心を無くした王子」まで含まれているのか。

ぴけ:ホラ、この本でしょ?
ドロッセルマイヤー:「王子様は悪魔や大鴉と戦った勇者だ。私の書いたお話の中に居た時ぁね。」

ドロッセルマイヤーが書いたお話の中にいたときは、「勇者」だった王子様。

あひる:…あの、このお話を書いた人って、何てひと?
ぴけ:え?ドロッセルマイヤーよ?常識じゃん。
あひる:ああ!あのさぁ!ドロッセルマイヤーさんって、この町に住んでるの…?
ぴけ:もう大昔に死んでるよ。
りりえ:お話も、途中で終わってるのよね。
ぴけ:そうそう。確か本書いてる途中で死んだんじゃなぁい?
ドロッセルマイヤー:「そう、彼はお話から出て大鴉を封じる為に心臓を失った」

「お話」には「心を無くした王子」は含まれていない?

あひる:お話を書いてた人が死んで、お話の中の人が出てきたってこと?そんな不思議なことって…。
あ、全部鳥のアヒルが人間になるよりは不思議じゃないのかも。(※)
そっかぁ…。みゅうと先輩はお話の中の王子様なのかぁ…。

    • あひる、ふぁきあに『王子と鴉』について尋ねる。

あひる:あの、王子と鴉ってお話、知ってますか?
ふぁきあ:それがどうした。
あひる:いや、ど どうと言われるとぉ…。
ふぁきあ:フン。子供騙しの物語だ。

ふぁきあ:何があった?
みゅうと:プリンセスチュチュが…。彼女が僕に触れていった…。
ふぁきあ:プリンセスチュチュ…?
るぅ:馬鹿馬鹿しい。あんなのお話じゃない。
あひる:え、チュチュは、お話? でも、あたし、あひる…。
るぅ:美貌と賢さと強さは授けられたけど、ただ一つ、王子様とは結ばれない運命を背負ったお姫様。告白したとたん、光の粒になって消えちゃうのよ。

るぅがこの時点で語る「プリンセスチュチュ」の設定に「心を返す」ことは含まれていない。

あひる:何がお話? 何が本当? チュチュはあたしで、あたしはあひるで…。でも、チュチュは、チュチュは…。

プリンセスチュチュは悲劇のお姫様、お話はいつもめでたしめでたしとは限らない。はっはっはっは…。

『王子と鴉』2話

    • アバン

昔々、一人の男が死にました。
男が語っていたお話は、美しく勇敢な王子が、悪賢い大鴉を退治するお話。

ドロッセルマイヤーが書いた『王子と鴉』は王子が飛び出す前まで。

男が死ぬと、大鴉と王子は、お話から飛び出しました。
王子は大鴉を封じるため、自分の心臓を取り出しましたが、それは、王子だけに与えられた禁断の力。
見事大鴉は封じられましたが、王子の心臓は欠片となって飛び散って、
町のあちらこちらに散らばってしまいました。
それからというもの、その町はお話と本当が混じり合い、不思議が不思議でない世界になりました。

私の名はドロッセルマイヤー。ははははっ。
心臓を失くした王子様を助けたいかね?
王子様は悪魔や大鴉と戦った勇者だ。私の書いたお話の中に居た時ぁね。
そう。彼はお話から出て、大鴉を封じる為に心臓を失った。
失った心臓は砕け、欠片となって彷徨っている。元に戻せるのはプリンセスチュチュだけ。

『王子と鴉』1話

    • アバン

昔々、一人の男が死にました。
男の仕事は、お話しを作って語る事でしたが、死には逆らえません。
男の最後のお話は、美しく勇敢な王子が悪賢い大鴉を退治するお話でした。
けれども、もう永遠に戦いの決着は付きません。
『こんなのはいやだ!』
大鴉は叫びました。
『こんなのはいやだ!』
勇敢な王子も叫びました。
大鴉はお話しの中から逃げ出して、王子もそれを追いかけました。
そして王子は自分の心臓を取り出し、禁断の力を使って大鴉を封じたのでした。
その時『これはいい…』死んだはずの男がどこからかつぶやきました。

男の死→『王子と鴉』の物語が途中で終わる。→鴉が飛び出す。→王子が追いかける。→王子が心臓を砕いて、鴉を封印する。→死んだ男が『これはいい…』と呟く。『王子と鴉』の物語に記述されている内容はどこまでなのか。

『王子と鴉』《あの本》

 古本屋にある。ふぁきあはわざわざ古本屋にたびたび読みに行っている。手元や図書館には存在しないのか。

  • 王子とカラス。ここに書かれているのは、みゅうとの物語。すべての弱いものを守ろうとして自分を傷つけ、心臓まで失う王子の運命。
  • 騎士が真っ二つに切り裂かれる挿絵。
  • ドロッセルマイヤー絶筆後、物語から飛び出した鴉と、それを封印する王子の物語が書かれている。

『王子と鴉』《市販本》

 ドロッセルマイヤーの絶筆となった本。あひるがバレエの練習で使用する程度に存在している。

  • 美しく勇敢な王子が悪賢い大鴉を退治するお話だが、戦いの途中で終わっている。
  • プリンセスチュチュはほんの数行紹介されているだけ。
  • 王子を守り通した勇敢な騎士が登場する(真っ二つに切り裂かれているかは不明)。
  • 幼い頃のふぁきあが読んだ本?
  • プリンセスチュチュが(愛を告げて)光の粒と名って消えてしまう記述がある。